トランタンネットワーク新聞社は、17年間「子育て支援」事業を中心に展開。もちろんターゲットは「子育て中の母親」が中心だった。ところが長年活動を続けるうちに、「子育て」のテーマを母親たちだけで考えていては始まらない矛盾に気がついた。
多くの母親の人生は子どもと共にあり、子育て真っ最中の頃は朝から晩まで子どものことで精一杯。それも子どもが小さいうちはいいが、子離れが始まる頃になって急に慌てる。「自分」って、「人生」って、一体何だろう?と。
また、子育てにつきものの悩み。たとえば「おむつはずし」も「きょうだいげんか」も「子どもの叱り方、ほめ方」も、思えば一時のこと。けれどもそのときは、とてつもなく大きな悩みであり、出口の見えない子育てに悶々としてしまう母親たち。そんなとき、大先輩である近所のおばちゃんに相談したら、「おむつはずし? 大丈夫よ、心配ないわ。小学校におむつで来る子なんていないんだから」と一笑されて終わり。
つまり、365日子どもと向き合う生活で閉塞的になりがちな母親が、人生や子育て経験豊かなシニアと出会い、コミュニケーションすることが、どれほどの意味を持つかわからない。
今、社会にある事柄は、「ビジネス」や「子育て」と分けて考えるものではなく、子育ても社会も、お母さんもおじいちゃんも、すべてはリンクし合って存在していること。
母親という視点だけではなく、妻であり、女性であり、ひとりの「人間」というスタンスで、「子育て」ではなく「人生」を考えること、これこそが母親が持つべき視点ではないか。なぜなら、お母さんの仕事である子育ては、未来をつくるという、社会で最も大切な仕事であるのだから。
そんな気づきから、リブライフを「子育て」から「生きる」というテーマに、そして対象を「母親」から「すべての人」にしたのが3年前。その後「子育て支援ブーム」も手伝って、シニアの方々と出会う機会が増えた。だが、正直なところ、「本気」で子育て支援活動をしている人は意外に少ない。いってみれば「自己満足」の域に近いのである。
そして一方では、「子育て支援」の言葉も意識せず、仕事に、趣味に、活動に、元気にいきいきと精を出している方もたくさんいる。
そう、これを放っておく手はない。出会って話を聞いてみれば、かつてのキャリアもさることながら、言葉や行動すべてが深くて広い。我々にしてみれば学ぶことばかり。こんな素晴らしい方々が、次世代のために力を発揮してくれたら…。そんなとき、岩佐俊一(183シニアファッション研究所所長)との出会いが重なり、一気にこの企画がふくらんだ。
対談の模様は『LIVE LIFE』(リブライフ Vol.42)に掲載。詳しくはコチラ
シニアの活動=「ボランティア」という常識から変えたい。シニアの知恵と力を生かして、社会に貢献していくこと。そこには対価があり、そのために責任ある「シゴト」という価値観が生まれる。
今30代、40代の人もいずれシニアの仲間入りだ。だとしたら、近年の変革する社会を見て、これまでの生き方、暮らし方を見直す時期ではないか。「幸せ」のとらえ方を含め、自らが新たな価値観を持つためにも、183シニアファッション研究所として発信できることは多い。